育志館の塾名は、訓読みで「こころざし はぐくむ やかた」となる。
育志館州見台スクールの玄関前を通っていただければ、毎日、有名人や有名でない人も含めて大変心に突き刺さる名言が掲示されている。しかも毎週塾長がその解説を加えてくれている。
薄い記憶だが、子供の頃読んだの石ノ森章太郎の漫画で主人公がピンチに陥ると、「なせばなる、なさねばならぬ、なにごとも、ならぬはひとのなさぬなりけり」という台詞を唱えていた。
ただ、この、なせばなる~の台詞だけは、どういう訳か記憶から消えずに今に至る。リズム感が心に響き、文語調の表現にどこか、神秘的な力を感じていたからだ。
しかも、子供心に、なんとなくピンチになるときには思い出さなければならない言葉だと気付いていた。そして、実際ピンチの時にこの言葉を思い出すと、なぜか力がわき、ピンチを乗り越えることが出来た。
大人になって、しかも、40歳も過ぎてからだと思うが、この言葉が、上杉鷹山という偉人の子供たちへの教えの中に古典から引用された言葉だと知る。そして、意味を知ってびっくり。
2連目の「なさねばならぬ」は「しなければならない」の意味と思っていたが、全く違っていたのだ。実は、漢字で書くと、
為せば成る 為さねば成らぬ 何事も
成らぬは人の為さぬなりけり
「為さねば成らぬ」、つまり、「行動しなければ成就することはない」だったのだ。
「言霊」とはよく言ったもので、意味もわからず覚えていた言葉だが、先に書いたとおり、実際にこの言葉のおかげでピンチを乗り越える経験を何度もしてきた。「言葉」は、読む人と、詠む人の両方の魂が宿るに違いない。私の場合詠んだ人の魂が大変深く強いものであったためその力が発揮されたのだろう。
繰り返すが、育志館州見台スクールには、毎日、このような言霊が掲示されている。世界中のどこでも、このような環境で子供たちを育てていきたいものだ。