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造山運動が生んだ買収劇

育志館大学受験科ウィンゲート講師の一色です。

 

最近SNKという会社の株式の96%以上を、サウジアラビアの王太子が所有する財団が保有しているというニュースが話題になりました。

SNKと聞いてピンとくる高校生は少ないかもしれませんが、餓狼伝説シリーズで有名なゲームメーカーです。

王太子自身が日本の文化に精通しているという事情もありますが、そもそもサウジアラビアはこれまでの石油に頼った財政を改めるべく歳入の多角化を図っているところで、王太子はその改革の中心人物と言えます。

SNK以外にも日米欧を中心に様々な有名ゲームメーカーに多額の投資をしているので、日本に限らずゲーム業界の将来に対して魅力を感じているのでしょう。

 

さて、このような大規模な投資を実現できているのは、言うまでもなくサウジアラビアのオイルマネーのおかげです。

サウジアラビアは世界最大の石油埋蔵量を誇り、産油国の中で最も影響力の大きな国と言えます。

ただ、比率が下がってきているとはいえ、未だに歳入の8割を石油に依存しているという問題も抱えています。

いずれ枯渇する資源に頼り切った財政は必ずいつか破綻しますし、そうでなくても石油価格に大きく影響されてしまう状況は健全な財政とは言えません。

実際、シェール革命によって石油価格が下がり、新型コロナの流行で世界のエネルギー需要が落ち込んでしまったせいで、サウジアラビアのGDPはマイナス成長に陥りました。

 

このように石油は国の経済全体に大きな影響を与える資源なのですが、これは石油が取れる地域が地球上で極端に偏っているためともいえます。

その中でもサウジアラビアがある中東は石油の採掘地として有名ですよね。

では、なぜ石油は中東でよく取れるのでしょうか。

 

そもそも石油は海底に溜まったプランクトンの死骸が、高圧状態で長年をかけて変化して作られます。

そのため、かつて海底だった土地が隆起した場所ではたいてい石油が取れるのです。

ただし、商業的に成立する油田というのはどこでもいいわけではありません。

それなりにまとまった石油が取れる場所、つまり石油だまりを見つけなければ油田開発は成功しないのです。

この石油だまりができる地形というのが、地球上にはそう多くありません。

地下の地層の一部が褶曲して盛り上がると、そこに比重の軽い石油がたまるのですが、そのような理想的な褶曲が偶然起こった場所が、今の石油の採掘地になっているのです。

そしてこのような褶曲は、造山運動が盛んな新期造山帯でよく見られます。

中東は大陸と大陸の狭間に位置していて、アルプス・ヒマラヤ造山帯に属しています。

そのため石油だまりのできやすい地層がたくさんあるのです。

 

意外かもしれませんが、日本にも日本海沿いにいくつか油田があります。

環太平洋造山帯に属しているため、じつは日本列島も石油を取りやすい条件が揃っているのです。

とはいえ、条件がそろっていても実際に取れるかは分からないのが資源の難しいところです。

残念ながら日本の油田でとれる石油はごく少量にすぎません。

 

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