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貧者の一灯「カンデラ」
育志館大学受験科ウィンゲート講師の一色です。
今回の基本単位は「カンデラ」です。
これまでと違ってあまり聞きなれない単位かもしれません。
光の強さ「光度」を表す単位です。
光の強さを表す単位と言えば、「ルーメン」や「ルクス」の方が聞きなじみがあるかもしれません。
カンデラで表される光度は、光源そのものが出す光の強さを表すものです。
しかし電球を買うときにパッケージをよく見て下さい。
電球の明るさはカンデラではなくて、ルーメンで示されていると思います。
電球というのは種類によって光が広がる角度が違います。
同じ光度の光源でも、四方八方に光が広がる光源と、特定の方向にのみスポットライトの様に広がる光源とでは体感する明るさが違います。
そこで、特定の角度(1ステラジアン)の方向のみにしぼった明るさを光束といって、「ルーメン」で表しているのです。
実際に電球の明るさとして体感するのはカンデラよりもルーメンでしょう。
ところで、この光束という概念は光源からの距離を考慮していません。
光源から1ステラジアンの範囲であればすべて同じ光束になってしまいます。
しかし実際には光源から離れれば離れるほど光は弱くなりますよね。
そこで光を実際に観測する場所まで考慮した概念として照度が定義されています。
1㎡あたりの光束として表されて、この単位が「ルクス」なのです。
つまり、光源そのものの強さが「カンデラ」、光が広がる角度も考慮したものが「ルーメン」、光をとらえる場所まで考慮したものが「ルクス」ということになります。
今ではカンデラが基本単位とされていますが、その元になったのが「燭(キャンドル)」という単位でした。
1860年にイギリスで都市ガス条例が制定されたときに定義されました。
1860年といえばアロー戦争の時ですね。
この頃はロンドンで人口が密集して住宅不足に陥り、マンションが大量に建てられた時期です。
そのためマンションにおける市民の生活水準を確保するための法律が多く作られました。
都市ガス条例もその一つです。
この「燭」という単位は字の通りで、ろうそく1本分の光度を1燭と定義したものです。
実は日本でも20世紀前半くらいまで電球などの単位として一般的に使われていました。
年配の方なら記憶にあるかもしれません。
この「燭」をより厳密な定義にするため、蠟燭ではなく黒体放射で定義し、その後さらに具体的な周波数の光で定義したものが今の「カンデラ」です。
キャンドルのラテン語が由来になっています。
人名由来ではないので㏅と小文字で表記して下さい。
定義は厳密になっても単位当たりの光度はできるだけ変わらないように工夫されました。
今の定義でも1㏅はほぼ1燭に相当します。
その名の通り1㏅は蝋燭1本分の明るさというわけです。
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