Notice

苦手な数学

みなさんこんにちは。大学受験科の谷です。

 

夏休みが目前に迫ってきました。自習室で生徒たちを指導して下さっている

 

チューターの先生は、受験生の時、精神的にも肉体的にも追い詰められて

 

夏休みが早く終わってほしくて仕方がなかったとおっしゃっていました。

 

夏を活かすも、活かさぬも受験生の皆さん次第。有意義な夏休みにしてほしいものです。

 

さて、今週も私の愛読している本を紹介したいと思います。

 

それは芳沢光雄著『ぼくも算数が苦手だった』です。

 

 

 

 

芳沢先生は、置換群と組合せ数学や数学教育を専門とする数学者・教育学者です。

 

置換群と組合せ数学が何かは知りませんが、とても難しいことを研究されているのでしょう。

 

私は、小学校の時から算数が苦手で、中学校ではチンプンカンプン。

 

高校では全くと言っていいほど数学の記憶がないくらい、数学が苦手だったのですが、

 

大学生になったとき、知人から「理系の人は成功する」というのを聞いて数学を学びなおそう

 

と考え、日々格闘しています。そのおかげか、以前よりも問題を解くのが苦痛ではなくなりました。

 

数学の勉強で大切なことを芳沢先生はこのようにおっしゃっています。

 

 

 

世間では「数学者はみな、計算力や記憶力が優れていて、成績も小学生の頃からよかった」

 

と思われているようですが、歴史に名を残した偉大な数学者を見ても、実はいろいろな“エピソード”

 

をもっているのです。2次方程式は解(根)の公式で解けますが、 5次方程式は一般には解けません。

 

それを最初に証明したアーベル( 1802‐ 1829)は、貧しい牧師の息子として育ちました。

 

彼は 1815年にオスロの中学校に入りましたが、成績のよい生徒ではありませんでした。

 

しかも彼の数学教師は乱暴者で、一人の生徒を死なせてしまったのです。当然、教師は解雇。

 

代わりにやってきた新任の数学教師ホルンボエが、アーベルに興味をもち、高等数学の手ほどきを

 

特別におこなったのでした。それがきっかけとなって、数学者アーベルは誕生したのです。

 

のちにアーベルは、若くして数学者になれた理由をたずねられると、偉大な数学者に学んだからだ」と答えています。

 

(中略)

 

このように、偉大な数学者や物理学者の中にもさまざまなタイプの人がいるのです。計算が得意な人もいる反面、

 

苦手とした人もたくさんいます。入学試験に強かった人は多いのですが、弱かった人もいます。

 

恋愛問題で決闘して世を去ったガロア( 1811‐ 1832)は、16歳と 18歳のとき理工科学校を受験しましたが、

 

いずれも落とされています。一つだけ断言できることは、数学者は誰でも、ねばり強く考え抜くことが得意だ、

 

ということです。算数の成績が悪いからといって、数学の才能がないということにはなりません。

 

子どもの算数の成績を上げるために、ストップウォッチをもってひたすら計算ドリルをやらせたり、

 

やり方」を暗記させたりするのは、決して数学力アップにつながりません。

 

「正解」という結果よりもむしろ、「なぜ?」「どうして?」と自問しながら、とことん考え抜くプロセスのほうが

 

大切なのです。別に子どもを数学者にさせたいわけでもないし、手っ取り早く算数や数学の成績を上げられればそれでいい、

 

とお考えの方も多いでしょう。しかし、本当の意味で「数学上手」になるためには、試行錯誤しながら考え抜く力を

 

育てるほうが早道なのです。

 

 

 

なかなか考えさせられますね。しかし、芳沢先生のおっしゃっておられることは全ての勉強に言えることだと思います。

 

たとえ、試験で結果がよくなくてもあきらめずに、「何故?」と粘り強く考え続けることこそが、大切だということですね。

 

受験生の皆さんは、焦りもあると思いますが、試行錯誤しながら考え抜く力を育ててくださいね。

School

各教室<スクール>のご案内