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漢文をちょっとだけ深掘りしよう
育志館大学受験科ウィンゲート講師の一色です。
皆さんは漢文を学ぶときにどんな学び方をしていますか?
正直なことをいうと、漢文は句形さえ覚えてしまえばほとんどの大学受験で困ることはありません。
しかし、せっかく漢文と出会うのにただの丸暗記ではもったいないですよね。
今回は丸暗記になりがちな漢文を、ほんのちょっとだけ深掘りしてみようというお話です。
当たり前ですが、漢文とは主に昔の中国で書かれた文章のことです。
つまり漢文は英語と同じ外国語なんですね。
では、英語のような外国語の文法を学ぶときに、普通はどんな学び方をするでしょうか。
この単語はこう使う、というように単語ごとに使い方を覚えるのは効率が悪いですよね。
単語を品詞にグループ分けして、品詞ごとに使い方を覚えるのが普通です。
しかし漢文に関しては、この品詞をちゃんと教えていないことがほとんどです。
日本の漢文は、「昔の中国語の文法で書き、昔の日本語の文法で読む」という普通の言語ではありえない文法体系が出来ているので、品詞をちゃんと定義するのが難しいという事情もあります。しかし、品詞を手掛かりにすることが全く無意味というわけでもありません。
例えば、2011年度のセンター試験の過去問に次のような問題がありました。
曷嘗不貴於敏乎
という文の書き下し文を選ぶ問題です。
この内、「貴於敏」の部分に注目してください。
選択肢では
敏より貴ぶ
敏を貴ぶ
敏に貴ばる
の3パターンが示されていました。
実際にはこの問題は文法というより読解の問題で、ここまでの文が読めていれば正解できる問題なのですが、ここではあえて文法に注目してみます。
今回は特に「於」の解釈が問題になっていますね。
「於」といえば受験生は「霜葉紅於二月花」の例文が刷り込まれていることでしょう。
そして「於は比較を表す時があるから気をつけろ!」と言われ続けたので、この問題でも「敏より貴ぶ」を選んでしまうかもしれません。
しかしその判断は間違いです。
実は「於」を比較で解釈するときは、直前の語を形容詞か形容動詞で書き下すのが普通なんです。
なのでもし比較にするなら、「敏より貴し」か「敏より貴なり」と書き下していないとおかしいのです。
句形を丸暗記していると、こういうことには気づきにくいのではないでしょうか。
漢文の句形を品詞にも注目しながら覚えると、漢文をほんのちょっとだけ深く理解することができますよ。
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