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数学的帰納法は帰納的なのか
育志館大学受験科ウィンゲート講師の一色です。
数学には数学的帰納法という証明のテクニックがあり、その説明の際に帰納と演繹の違いについて解説する講師も多いと思います。
私もその一人ですが、ちょっと解説には気を使います。
というのも、数学的帰納法は帰納的な論法ではないからです。
そもそも帰納法とは、実験や観察によって有限個のサンプルを得て、それを分析し、一般的な法則を導き出すことを言います。
ここで重要なのは、有限個のサンプルを分析しているだけであって、決して全ての事象について分析しているわけではないということです。
当然と言えば当然ですよね。
この世界の全てを調査し尽すことは不可能です。
しかし数学は別です。
数学的帰納法では、変数を使うことで全ての自然数nについて論証していますよね。
有限個のサンプルではなく、自然数の全体、全ての事象の話しかしてないんです。
実は数学には帰納法は存在しません。
初めから一般的な議論しかしていないのです。
古代の数学は別ですが、現代の数学に実験がないのは、数学はそもそも帰納的な考え方をしないからなんです。
おそらく数学的帰納法という言葉は、inductionの語訳でしょう。
たしかにinductionは帰納法と訳すこともありますが、そもそもは導き出すといった意味の単語です。
本当は数学的導出と訳すべきなのかもしれません。
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