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挫折
みなさんこんにちは。大学受験科の谷です。
今日、8月6日は広島に原子爆弾が投下された日ですね。
今年で戦後75年をむかえ、平和や戦争に関する様々な番組が放映されるようです。
犠牲になられた方や、今なお後遺症に苦しんでおられる方を思いながら
平和について考える1日にしたいところです。
さて、今週も私の愛読している本を紹介したいと思います。
それは光文社新書からでている千住博著『〈オールカラー版〉日本画を描く悦び』です。
著者の千住先生は、日本を代表する日本画家で、京都造形芸術大学で学長を務められるなど
京都にもゆかりのある方です。
ところで、受験生は模試で悪い結果が出てしまったり、日々の勉強が充実しなかったりと
多くの挫折を味わいます。一流の画家千住先生は挫折やスランプをどのようにとらえているのでしょう。
「私にとって、スランプは常態です。そして、制作がうまくいかない、
作品が自分の思うようにならないと悩むのが芸術家の日常です。
巨匠といわれる人のどこが偉いのかといえば、数知れない不調、
つまり世の中でいうところのスランプを乗り越えてきたからであって、
自分に負けない生き方をしてきたところに私たちが見習う点があります。
ですから巨匠の作品は、それぞれに毎回スランプを乗り越えてきたプロセスが
画面に見え隠れしています。(中略)毎回毎回、苦渋の判断だったことは容易に推測されます。
このようなことをくり返した結果、名作が生まれ、巨匠となっていくのです。
スランプとは少し違いますが、挫折というものがあります。スランプと同様、私は毎日毎日、
挫折していると感じています。言い換えれば、毎日がスランプ、毎日が挫折です。
毎日スランプと挫折を味わい、そこから立ち直るのが私の毎日の画業です。
作品がすんなりとうまくいくことはまずありません。どうしよう、変なことになってしまったな、
困った、となって初めて自分自身に火がつきます。火事場の馬鹿力で毎日を乗り切っています。
それほどまでしても絵を描きたいと思える人だけが、 30年、 40年と絵を描き続けていけるのです。
過去の経験は生きません。成功例も失敗例も生きません。毎日が初めてなのです。」
一流の画家である千住先生も毎日スランプや挫折を味わっているというのは驚きですよね。
挫折やスランプを味わうことを日常のことと受け止めポジティブに考えている姿勢は
受験生にとって参考になりますね。また、「それほどまでしても絵を描きたいと思える人だけが、
30年、 40年と絵を描き続けていけるのです。」というところは少しオーバーですが
受験勉強でもいえることではないでしょうか。どうしても行きたい大学があって、
その思いが強ければ、毎日挫折やスランプを味わいながらも受験勉強に集中できるのです。
受験生の皆さんも日本中の受験生が多かれ少なかれ味わうことになる挫折をポジティブにとらえて
絶対、志望校に合格するんだという気持ちを持ち続けてくださいね。
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