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将来役に立つ?

みなさんこんにちは。大学受験科の谷です。

多くの高校で1学期の期末試験の日程が出ているようです。

新学年になって一番最初の試験は大きな意味を持っています、塾生たちには全力で取り組んでほしいと思います。

 

さて、今週も私の愛読している本を紹介したいと思います。

それは小学館から出ている圀府寺司著『ファン・ゴッホ 自然と宗教の闘争』です。

 

 

ファン・ゴッホといえば、言わずと知れたポスト印象派の画家ですよね。日本の浮世絵に魅せられ、収集した絵を熱心に模写したことでも知られています。また、絵だけではなく家族や友人に宛てた、手紙(書簡)が残されており、展覧会などで見ることができます。

さて、本の中で引用されていた手紙の一部を紹介します。日本の画家についてゴッホは以下のように考えていました。

 

「日本美術を研究すると、明らかに賢く、哲学的で、知的な人物に出会う。その人は何をして時を過ごしているのだろうか。地球と月の距離を研究しているのか。違う。ビスマルクの政策を研究しているのか。いや、違う。その人はただ一本の草の芽を研究しているのだ。しかし、この草の芽がやがて彼にありとあらゆる植物を、ついで四季を、自然の大景観を、最後に動物、そして人物像を描かせるようになる。」

 

なんだか壮大な話ですね。ゴッホにとっては、月と地球の距離を計算することやビスマルクの政策を研究することと、一本の草の芽を研究することは同じくらい偉大な哲学的営みだということですね。この一本の草の研究があるから日本人の画家は目に映る世界のあらゆるものを描くことができるのです。

この部分を読んだとき、勉強も同じだと思いました。将来、役にたちそうな英語と役に立ちそうにない歴史や古典。

どちらも同じくらい重要です。将来役に立つことだけを学ぶのは、高校生の勉強ではありません。

すべての教科が皆さんの、今後の人生にプラスになるからです。

そして勉強の息抜きにはゴッホの絵を眺めてみてはいかがでしょうか。

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