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単語の覚え方

みなさんこんにちは。大学受験科の谷です。

 

一部の高校では、1学期の期末試験が始まっているようですね。

 

試験終わり、いつもより早く塾に来る生徒は、次の日の試験勉強に塾の授業の予習。

 

忙しそうですが、充実していて羨ましくもあります。

 

さて、夏休みを控えた受験生を悩ませるものといえば、膨大な量の単語を覚えること。

 

英単語はもちろんですが、古語単語もなかなか覚えられずに苦労している受験生も多いのではないでしょうか。

 

今週は以前、blogで紹介した古典の参考書の姉妹書を紹介したいと思います。

 

それはちくま学芸文庫から出ている小西甚一著『古文の読解』です。

 

 

6月4日のblogでも紹介した通り、著者は伝説的な国文学者の小西甚一先生です。

 

この本の中で小西先生は古文単語の覚え方についてこんなアドバイスをしています。

 

 

 

辞書をひくと、それぞれの説明に①……、②……、③……など、用法を区別して

 

あげてあるのが普通である。諸君のなかには、「エート、①が……で、②が……」などと節をつけてみたり、

 

珍妙なコジツケを案出したり、苦心さんたんで①②③を覚えようとする人があるかもしれない。

 

が結果はどうであろうか。古文をひとわたりに読みこなすため必要な単語は、

 

たぶん千六百語ぐらいだろうと思うが、千六百の古語がいつも①②③ですむとは限らない。

 

ものによっては、⑦⑧⑨まで現れるかもしれない。かりに平均⑤として、千六百の五倍は八千、

 

それをことごとく暗記する自信もしくは勇気をお持ちだろうか。

 

わたくしは古文の解釈を本職とする教師だが、八千の用法をいちいち覚えているわけではない。

 

たとえば「はづかし」の何番目の用法は……などと聞かれても、いったい中古語の「はづかし」に

 

いくつの用法があるのかさえ頭にないのだから、答えられるわけがない。

 

しかし、古文のなかに「はづかし」ということばが何度現れようと、いちいち辞書なんか引かなくても、

 

わたくしはちゃんと解釈できる。(中略)

 

1 基本の意味だけ覚えこむ。

 

2 用例ぐるみ覚える。

 

の二か条である。ナアンダなどと言いたまうなかれ。われわれ国文学教師は、

 

この二か条のおかげでサラリーを確保しているのである。

 

 

 

とても参考になりますよね。全部を無理に覚えようとせずに、基本の意味をまず覚えこんで、

 

そのあとは、文章と一緒にさまざまな意味を覚えてしまうことが、膨大な数の単語を覚えるのに有効だということですね。

 

単語帳などには、用例が詳しく紹介されていますが、気にもせずに意味だけ覚えようとしている受験生も多いのかもしれません。

 

この暗記法、とてもおススメです。ぜひ実践してみてください。

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