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「make up」の訳し方
育志館大学受験科ウィンゲート講師の一色です。
「make」のようなよく使う簡単な英単語は、汎用性が高いために訳し方が難しいことが多いですよね。
文脈次第で様々な日本語に対応するので、訳者の腕の見せ所でもあります。
そういう時に必要な能力は、単語の意味を日本語で覚えるのではなく、映像で覚えることです。
たとえば「make up」のようなイディオムを考えてみましょう。
まずは「化粧する」という訳が浮かぶと思います。
日本語でも使う用法ですよね。
しかし文脈によっては、「完成させる」とか「補充する」などと訳す方が適切な時もあるんです。
だからといって辞書に載っている訳し方のリストを丸暗記しても意味ないですよ。
「make」を見たら何かが新しく変化する映像を想像して下さい。
「make up」はmakeした結果upな状態になるという意味です。
つまり新しく変化した結果、一つ上の状態になる感じを想像すればいいんです。
その映像を日本語にするなら何がふさわしいか考えると適切な訳が見つかります。
さて、私の世代では「make up」と聞くと思い出すのがセーラームーンです。
主人公が変身するときのセリフが
「ムーンプリズムパワー メークアップ」
というのですが、この「メークアップ」の使い方が見事なんです。
返信する魔法少女といえば「ひみつのアッコちゃん」が元祖ですよね。
なぜ魔法少女は毎回変身してから魔法を使うのか、なぜ変身すると大人の見た目になるのか。
それは小学生くらいの女の子が持つ変身願望と大人への憧れが象徴されているからです。
「いつもと違う自分になりたい」とか「少し背伸びして大人になりたい」といった願望を魔法少女が実現してくれる構造になっているわけです。
そして、メインターゲットの女子小学生にとって化粧は大人への第一歩。
化粧をすることで大人のまねができ、さらにいつもと違う自分になれるのです。
アッコちゃんのコンパクトのように、変身のモチーフとして化粧に関する物が多いのはこのような親和性があるからなんです。
このようにひみつのアッコちゃんの伝統を踏まえて、セーラームーンは「メークアップ」と叫んで変身するのです。
そして、より大人びた体格になって敵を倒せる強い力を手に入れるという意味でも「メークアップ」する。
このようなダブルミーニングが隠されているのです。
「make up」が持つ本質的なイメージが上手く用いられた例と言えるでしょう。
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