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相関係数の正体

育志館大学受験科ウィンゲート講師の一色です。

 

私が高校生の時から今までに、学習指導要領は何度も改訂されました。

そのため、私の時とは教科書の内容も大きく異なります。

 

特に顕著なのは数学に統計学が盛り込まれたことでしょう。

私の頃は教科書にほんの少し載っていたかもしれませんが、授業で教わった記憶はありません。

しかし今は中学校から統計学を学び始め、高校では正規分布や正規化まで扱っています。

最近は統計学を専門的に扱う学部を新設する大学も増えていて、社会的な需要の高まりを感じます。

情報化社会で生きるには必須の学問なのかもしれません。

 

さて、高校の統計学では相関係数を学びます。

2つの変数の相関の強さを定量的に評価できるのでとても便利なのですが、この相関係数を使うときには注意事項がたくさんあります。

 

たとえば、ボールを真上に投げ上げた時、投げ上げてから同じ高さに落ちてくるまでの経過時間と高さの相関について考えてみましょう。

実際にデータをとれば分かりますが、この2つの変数には「とても強い相関」があるように見えます。

具体的には高さは時間の2次関数で近似できるはずで、外れ値もほとんど出ないでしょう。

にもかかわらず、定義通りに相関係数を計算するとおそらく0に近い値になるはずです。

 

先ほど「とても強い相関」にカギ括弧を付けたのは理由があって、JISでは相関について

『二つの確率変数の分布法則の関係。多くの場合,線形関係の程度を指す。』

と定義しています。(JIS Z 8101 : 1999)

線形関係つまり、一次関数で示される関係が一般的な意味での相関なのであって、必ずしも関係性があることを包括する概念ではないのです。

そのため高校では入門として、線形関係の評価に適したピアソンの積率相関係数のみを紹介しているのです。

 

このように高校の統計学は非常に重要な内容が多く含まれていますが、学ぶ際に気を付けるべきポイントもとても多いのです。

中途半端な理解で終わってしまうと、むしろ悪影響の方が大きくなってしまうかもしれませんので要注意です。

 

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高校生になって、塾に通っていない方などはお気軽にお問合せください。

 

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