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英語の正しい発音とは

育志館大学受験科ウィンゲート講師の一色です。

 

エリザベス2世が亡くなって、彼女の映像を改めて見る機会が多くなりました。

彼女のウィットに富んだ発言が好きで私もよく見ますが、気になるのが彼女の発音です。

学校で習う英語とは違う独特な発音をしていることに気づくと思います。

 

そもそも英語の発音は1種類に決まるものではありません。

まずアメリカ英語とイギリス英語ではつづり方や発音が異なることが多いので、辞書にも両方載っていますよね。

基本的に学校で習うのはアメリカ英語です。

しかし今の学習指導要領では異なる発音についても紹介することが求められています。

そのため共通テストのリスニングでは、アメリカ英語の発音を基本にしながら、イギリス英語の発音が出題される場合もあるとしています。

 

教科書や辞書に書いてあるイギリス流の発音法を容認発音またはクイーンズイングリッシュといいます。

BBCのアナウンサーの発音がそれですが、実際のイギリス人はそのような発音をしません。

一部の上流階級の発音なので、日常会話で使っていたら気取った感じに受け取られるそうです。

ほとんどの人は生まれ育った地域の訛りのある発音で話しています。

 

さて、エリザベス2世は言うまでもなくクイーンですが、彼女の発音はクイーンズイングリッシュではありません。

クイーンズイングリッシュよりさらに変わった王室特有の特別な発音をしています。

それが王室メンバーの証になっているのです。

 

よくネイティブの様に英語を話せるようになりたいという人がいます。

それはそれでいい目標だと思います。

しかし、そのネイティブとは一体誰のことなのでしょうか。

実際の英語話者はそれぞれ何らかの訛りでしゃべっていて、アメリカでもスペイン語訛りやドイツ語訛り、中国語訛りのネイティブが大勢います。南部訛りや黒人訛りもあります。

彼らのほとんどは訛りを矯正しようとしません。

その訛りこそが彼らのアイデンティティを示すものなので、むしろ誇りにしているのです。

女王も死ぬまで訛りを矯正なんてしませんでしたよね。

 

コミュニケーションが取れないレベルは困りものですが、そうでないなら発音が苦手なのは恥じることではないと私は思います。

いかにも日本人な発音をしていても、それが日本をルーツに持つ証として誇りにすればいいのです。

そう思えば英語を使うのが怖くなくなりませんか。

 

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