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世界史の中のパンデミック①
育志館大学受験科ウィンゲート講師の一色です。
先週新型コロナワクチンの2回目の接種を受けたのですが、副作用がひどくて大変でした。
特に接種の翌日は1日中寒気が収まらずずっと布団から出れない状態でした。
しかしこれも歴史的な大事件に立ち会った証と思ってなんとか耐えましたよ。
今回の新型コロナの流行で私たちの社会は大きく変わりましたよね。
間違いなく将来歴史の教科書に載る出来事でしょう。
世界史を見てみると今回の様に、いやそれ以上にパンデミックが社会全体に大きな影響を与えた例は少なくありません。
今回はそんな事例の一つ、ペストの流行の歴史を見ていくことにしましょう。
ペストとはペスト菌という細菌による感染症で、感染すると肌が内出血により黒っぽくなることから黒死病とも呼ばれています。
ノミを媒介にしてヒトに感染するルートが有名ですが、他にも様々なルートで感染する、非常に感染力の強い病気です。
しかも適切な治療をしない場合、致死率は約30%と言われ現在でもなお警戒が必要な病気の一つです。
このペストはこれまで何度も世界で流行を繰り返してきましたが、その中でもとくに有名なパンデミックをいくつかご紹介します。
一つ目は「アントニヌスのペスト」
AD2C後半、古代ローマ帝国の五賢帝時代最後の皇帝、マルクス・アウレリウス・アントニヌスの時代に、少なくとも300万人が死んだと言われる大流行が起きました。
ちょうどそのころローマ帝国は「ローマの気候最温暖期」と呼ばれる極端な温暖化の時期でした。
これにより食糧生産力が一時的に向上して帝政ローマの最盛期を支えたわけですが、逆にペストの流行の原因にもなったわけです。
皇帝のお抱え医師だったガレノスという人が当時の専門的な知見を基に詳細な記録を残していて、これが文献として確認できる最古のペストの大流行と言えます。
皇帝自身もペストに感染して死亡したのですが、帝国に与えた影響はそれには留まりません。
イタリア半島では村が全滅することも珍しくなく、経済は大きく衰退します。
また軍人も多く感染したため、ゲルマン人やガリア人との前線を維持するのも難しくなりました。
経済的にも軍事的にも大打撃を受けた帝政ローマは、この後衰退期に入ってしまうのです。
さらにこのペストは漢にももたらされ、漢衰退の一因となったと唱える人もいます。
ちなみにこの時のペストについては、現代でいうペストとは違う病気だという説もあります。
なにしろ文献に残された症状から病名を類推するしかないので、歴史上の病気の病名を確定させるのは難しいんです。
当時の感染者の遺体が見つかればもっと詳細な分析ができるんでしょうが、当時は火葬が一般的だったのでそれも難しそうです。
続きは次回をお楽しみに。
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