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読書の秋、勉強の秋
こんにちは。育志館大学受験科ウィンゲートの川邉です。
11月に入り朝夕がめっきり涼しくなりました。
時候の挨拶としては、「晩秋の候」「紅葉の候」を使うそうです。一言添えると文章が格調高くなるかもしれませんね。
季節は秋。「晩秋〜」と言われてもピンとはきません。近年温暖化が進んでいて、つい先日までは温かい日が続いていましたし、寒くなったと思うと急激に気温が下がりましたから、徐々に秋になっていく感覚がなかなか掴みづらい近頃です。
さてみなさんは「読書の秋」「勉強の秋」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。もちろん「スポーツの秋」「食欲の秋」というものもありますが、今回は前の2つに焦点を当てていきたいと思います。
「読書の秋」「勉強の秋」の語源は、いずれも同じところにあります。
由来として多く語られるのが、唐代の詩人として高名な韓愈(かんゆ)が詠んだ古代中国の漢詩で、時代は8世紀頃とされます。
その漢詩というのが「符読書城南詩」で、学問の大切さを伝えています。その中に以下のような一説が登場します。
「時秋積雨霽、新涼入郊墟。燈火稍可親、簡編可卷舒。」
これを日本語に置き換えると、「秋になり長雨があがって空も晴れ、涼しさが丘陵にも及んでいる。ようやく夜の灯に親しみ、書物を広げられる。」というような意味です。 この一説がきっかけで、涼しい秋の夜は読書に適しているという考えが浸透したと言われています。昔の人も、暑い夏が終わってゆっくり読書できる秋を心待ちにしていたのかもしれません。
日本でこの「読書の秋」の考えや習慣が根付いたのは、夏目漱石が小説「三四郎」でこの漢詩を引用したことがきっかけとされています。
ちなみに日本で「読書週間」が開始されたのは、戦後間もない1947年のこと。読書の力で平和を築き上げるという目的があり、その期間は文化の日を中心とした10月27日から11月7日に固定されました。ちょうど今のこの期間が読書週間なのです。
「勉強の秋」は「読書の秋」の延長上にあります。昔から「書を読む」ことは学問の基本でした。読書=学問を切り離し「勉強の秋」と名付けられたのでしょう。これは学生たちに”学問も読書と同様、落ち着いて取り組んでほしい”という願望もあるのかもしれません。
「読書」「学問」、いずれも基本は自分自身でどんどんと進めていく内容です。「自習」で学問をどんどんと深めていき、幅広く奥深い知識をしっかりと詰め込んでいきましょう。
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