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reason(名)の意味は?(複数回答可)

育志館大学受験科ウィンゲート講師の一色です。

 

大学受験に必要な英単語は標準で大体5,000語程度と言われます。

ただこの数は中学校で覚えたような基本的な単語や派生語も含まれるので、大学受験生は2,000語程度の単語帳を覚えれば十分でしょう。

難関大は別ですよ。

 

2,000語と言っても結構な数ですよね。覚えるのが苦手な人にとっては英単語は永遠に続く苦行のようなものかもしれません。

でもせっかく色々な単語に出会うのだから、その裏にある言葉のドラマが垣間見れると楽しいですよ。今回はそんなお話です。

 

まず、私たちがこの世界の仕組みを理解しようとする仕方を、理性と神話という視点で2つに分けてみましょう。

例えば、「どうして雷が鳴るのか?」に対して、

観察や実験を重視する人は「地上と上空に電位差が発生し放電が起きた時の衝撃波が・・・」と説明するでしょうし、

物語性や説得力を重視する人は「雷様が雲の上で太鼓を叩いていて・・・」と説明するでしょう。幼い子供に説明するなら後者ですよね。

前者は理性によって、後者は神話によって説明していると言えます。

 

この理性と神話を明確に区別するようになったのは、古代ギリシャの哲学者たちの功績です。

彼らは理性を「logos」、神話を「mytos」と呼んで、logosのみで世界を理解しようと努めました。

これが西洋哲学の始まりであり、今のあらゆる学問の礎になっています。

 

このlogosという概念はその後ローマにも輸入されました。古代ローマの哲学者たちもギリシャ人たちのようにlogosに基づく学問を発展さ

せようとしたのです。その代表例がカエサルの政敵としても有名なキケロです。

彼はローマの公用語であるラテン語で哲学を記述するため、ギリシャ語の哲学用語をラテン語に翻訳していきました。その中で彼はギリシ

ャ語のlogosの訳語として、ラテン語のratioをあてました。ratioは元は計算の意味で使われていた言葉です。

計算は特に理性だけを使う物なので、それを拡張させて使おうとしたのでしょう。

 

その後、ラテン語はゲルマン語等と融合しながらヨーロッパの諸言語に変化していき、英語へと受け継がれていきます。

その過程でratioは様々な単語の語源となりました。

例えばrate(割合)が分かりやすいですね。

 

実はreasonもratioから出来た言葉です。ratioの「計算するように理性だけを使って推論する」というイメージから、reasonは「理性・推論

する」という意味で使われるようになりました。

そして理性を使って推論するとは、物事の因果関係を解明するということでもあるので、「理由を考える」という意味でも使われるように

なり、「理由」という名詞としても使われるようになったのです。

そう考えるとreasonableが「安い」ではなく「合理的」と訳すべきなのも分かりますよね。

ある物に対してなぜその値段が付いているのか「理性を使って理由を推論することができる」値段、つまり「納得のいく」値段を

reasonableな値段と表現しているわけです。

 

このように英単語1つでも調べれば面白いドラマが隠れていたりするんですよ。

単語の語源や歴史を学ぶことで、その単語の本質的な意味をイメージすることができます。日本語訳を1対1で丸暗記するより、この方が

より実践的で楽しいとおもいませんか。

 

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